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社会人になって、たくさんの新しいことを始めました。それも今までやったことのなかったものがほとんどです。そんな愛すべき趣味たちとmise1049の成長を記したノンフィクションブログです。有言、いつか実行。


by mise1049
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「デザイナー」という職業

今日はお客さんと関係のあるデザイナーさんを訪問してきました。
弊社の新製品の紹介やら売れ筋商品、おもしろ素材などのPRと、
あとは雑談。雑談といっても業界の話ばっかだったけど。
しばらく訪問できていなかったせいもあってか、約2時間、
どっぷりと話し込んできましたよ。
(自分の仕事が上手く回っていないと、お客さんを優先にせざるをえなく、
その関係にあるデザイナーさんまではなかなか回りきれないのが現状・・・)

この仕事を始めるまでは、デザイナーといったらよほど特殊な人で、
こだわりの塊や言うことを聞かない堅物が多いんだろうと思っていたんだけど、
今日のデザイナーさんは、どこから見ても気さくなにーちゃんって感じの人。
マンションの一室が事務所兼自宅で、一人で仕事をされている。
見たところ30代で、たぶん独身。この日は友人のエンドユーザーも来ていた。

どうもご無沙汰です、なんて言いながら靴を脱ぎ、部屋に上がる。
まずもって自分の体から革靴が外れるだけで、
いつものルートセールスで刻み込まれたリズムがなんとなく狂ってしまう。
足が涼しい。
「いやー先月は全然仕事してなかったっすよ」
なんて話から始まっていく。
エー仕事してないんすか~。でもそんな時間も大事スよね~。情けないほど適当な返し。
「今月からはがんばりますよー」
という台詞にちっとも重みを感じないのはなぜだろう。

しかしデザイナーをやるには、言わずもがな、ものすごい能力が求められると思う。
そのイメージをどうやって具現化するかということはもとより、
それをどのような素材を使って、どのような加工を施し、制限のあるコストの中で、
クライアントの論理・要望にも上手く考えを合わせつつ(時に思いっきり翻弄され)、
その中で自分にしかできないオリジナリティを加えて(多分これが一番大事)、
ニーズにあったものを完成させる。これはただのアイデアマンには務まらない。

できるデザイナーはそういった諸々の事情に精通していなくてはならない。

オレのイメージで先行していた、こだわりや堅物云々ではやっていけないのだ。
ヘタすればサラリーマンよりよほどサラリーマン気質を兼ね備えていないと、
クライアントや様々な関係業者との仕事をこなしていけないのではなかろうか。
しかもその中で他に代わりのいない仕事っぷりを見せていかなくちゃならない。

大変だと思う。それだけにやりがいはあるとは思う。

ただ今のオレは、「やりがい」という美しい響きの言葉に疑問も感じる。

よく学生の頃は「やりがいがあればしんどい仕事もがんばれる」なんて思ったものだけど、
それはある側面では正しく、しかし確実にそれだけではない面もある。
オレが思っていた以上に、
自分たちが感じている「やりがい」はコロコロと変わっていくもので、全然一定でない。
ある地点で「やりがいがある」と思っていたことは、
時間が経つにつれ「手間ばかりかかって面倒」になってしまう可能性を常にはらんでいる。

もしデザイナーという職業を選んだとして、その創造性豊かな仕事が、
いつの日かパターン化されたルーティンワークになってしまうとしたら・・・。

おーこわ。サラリーマンくさ。
雇われてメシを食っていると、だんだん自分というホネが抜かれてしまうようだ。
危ない、気をつけないと。


しかし今日のデザイナーさんは終始ニコニコしていて、
それでもって素材のことも加工のことも、全然知識がない。
オレがペラペラしゃべったことにもなんだか的を得ない反応で、
「へーそんなこと知ってるんだー。若いのにスゴイねー」
という感じだ。あのー、ほんとにお仕事とか大丈夫すか?

ただ、話の途中に印象に残った一言がありました。

「でもやっぱ、他の人がやったことないことを、オレはやりたいんだよねー」

この人にはまだまだ「やりがい」が溢れてる。
これじゃオレの方がよっぽど腐ってるよ。まだ若いのに・・・。


そういやデザイン料とかってどうやって決まってんのかな?
今度聞いてみよ~。←やっぱり腐ってる。
by mise1049 | 2005-11-17 01:21 | 雑物